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新聞記者諸君、日本語をもっともっと繊細にデリケートに扱おう。「ちょっとの違い」それが困るのだ

 

 戦前からのプロレタリア文学作家の中で最も剛毅かつ繊細、そして、芸術的と言われた中野重治に「ちょっとの違いそれが困る」というタイトルの文章があるが、5月23日付の「日刊スポーツ」(東京発行、8版)に目を通していたら、このタイトルを思い出した。

 まず、6面の「(マーリンズは)連敗を7に伸ばし、イチローも2試合連続で出場がなかった」というところにつまずいた。「連勝を7に伸ばし」なら分かるが「連敗を7に伸ばし」ではまるで連敗を積極的に選び取ったかのような印象を与える。この「ちょっとの違い」は、やはり問題だろう。「7連敗となり」でいいのである。

 3面に移ると「反射的に、ベース上でほえた。一塁ベースを回った高橋由は、右手を突き上げ、その一打に込めた思いを表現した」にも首を傾げた。「反射的に」は「思わず」ぐらいでいいのではないか。それでもちょっと違うのだが。「反射的に」は意識、身体の機械的反応の表現。しかし、ここには、高橋由の強い感情が作用している。これは機械的反応ではない。それだからこそ「その一打に込めた思いを表現した」と続くワケだ。「もう、ほえずにはいられなかった」のが、高橋由の心の中だったのである。

「反射的に、ベース上でほえた」では高橋由伸[巨人]の心の中を正しく表現したことにはならない[写真=高塩隆]


 まだある。2面の「非情采配も実らず連勝は2で止まった。5回2死、1点リードも先発サンティアゴを交代。最善策の非情采配だったが、それでも結局、その回の4点が痛かった」。「それは厳しいなあ」の代表格が、このリードしているにもかかわらず、先発を4回2/3で降板させる采配だが、この場合・・・

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岡江昇三郎のWEEKLY COLUMN

プロ野球観戦歴44年のベースボールライター・岡江昇三郎の連載コラム。

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