週刊ベースボールONLINE


83年夏のPL学園の選手は純粋で初々しかった。このPLをもう1度見たい!

 

 今週号はPL学園高の大特集だが、あの名門校が、監督も選べない、信じられない大ピンチを迎えるなど、だれが予想しただろうか。学校経営者は、何のおかげで、だれのおかげでここまで発展できたのかを考えたことがあるのだろうか。

 思えば、83年夏(第65回大会)のPLの選手たちは純粋だった。私事になってしまうが、筆者は、この大会後に発行する週刊ベースボール増刊の「第65回全国高校野球総決算号」作製のための甲子園取材班のキャップを命じられ、クソ暑さの中、PLを追いかけたことがあった。行きがかり上、決勝戦(PL学園高対横浜商高、3対0でPLの優勝)の巻頭原稿を書く破目になったが、気恥ずかしいが32年前の原稿の冒頭部分を書き出してみる。

 こんな若々しい甲子園が、かつてあっただろうか――。

 15歳がマウンドで躍動した。あの池田を完封した若アユ・桑田の躍動だ。

 横浜商高・三浦のドロンとしたカーブが、恥ずかしげに見えた。1年生投手のボールはなんのケレンミもなく、外角低めいっぱいに投げ込まれた。小島捕手のミットは、「パ〜ン」という乾いた、小気味のよい音を立て続けた……


「若アユ」「ケレンミもなく」「小気味のよい」─紋切型、常套句のオンパレードで汗顔の至りだが、まあしかし、桑田、すなわち桑田真澄投手の初々しい(もう6試合目だが)、マウンド姿には、こういう表現しか使えなかったのである・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

岡江昇三郎のWEEKLY COLUMN

岡江昇三郎のWEEKLY COLUMN

プロ野球観戦歴44年のベースボールライター・岡江昇三郎の連載コラム。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング