週刊ベースボールONLINE

岡江昇三郎

そのチームには、昔からの、特有な色、匂い、イメージ、ムード……がある。これをプラスの方向に生かせるのが好指揮官だ。

 

阪神・金本監督は、阪神を外と内からそれぞれ10年以上観察。これは絶対的な強みだ/写真=前島進



 3月7日号で「『打ってナンボ』。これがG捕手の伝統なのである」と書いたが、巨人高橋由伸監督は、すでにここをしっかりと押さえていたので安心した。「スポーツ報知」(東京版)の2月26日付に、高橋監督と、元同僚の高橋尚成氏(同紙評論家)の対談が載っていたが、その中で高橋監督は「打てる捕手っていうのは、強いジャイアンツの象徴だからね。去年、俺も選手として一緒に戦う中で、ベンチから『(阿部慎之助が捕手で出ないのは)どうなのかな』と正直、感じてた」と語っていたからだ。

 毎年、毎年、選手が入れ替わっても、不思議なもので、そのチームの“色”とか“匂い”とか“イメージ”とか“ムード”といったものは、伝統というほどの確固たるものではないにしても、変わらずに生き続けるものである。もちろん、色、匂い、イメージ、ムードには、プラスもマイナスもあるワケだが、これらをプラスの方向に、巧みに生かしていくのが、いい監督、ということになる。

 DeNA前監督の中畑清氏が、あるテレビ番組でこんなことを言っていた。「日本ハムはうらやましいチームだねえ。栗山英樹監督が、早々と『開幕戦の先発は大谷翔平です』とブチ上げることができるんだから。オレも、もっといいチームでやりたかったよ(笑)」。最後の部分は、もちろん中畑流のジョークだが、多分・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

岡江昇三郎のWEEKLY COLUMN

岡江昇三郎のWEEKLY COLUMN

プロ野球観戦歴44年のベースボールライター・岡江昇三郎の連載コラム。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング