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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「オープン戦」

 

生まれて初めて飛行機に乗り、ハワイキャンプへ


 オープン戦の季節がやってきた。

 オープン戦の目標、課題は監督によって違うだろうが、私の場合は若手にチャンスを与え、レギュラーを刺激する──つまり、競争意識を行き渡らせる狙いを持っていた。ポジションの争奪戦と、レギュラーに定着している選手にとっては調整、若手、新人にとってはアピールの場となるわけだ。

 当然、キャンプで首脳陣にアピールし、オープン戦でチャンスをつかむ選手も現れる。私が、その典型だった。

 入団3年目の春のことだ。南海ホークスはアメリカのハワイでキャンプを行った。一般社会でも、海外旅行などほとんどない時代。ハワイでキャンプというのも本当に珍しく、皆にうらやましがられたものだ。私は生まれて初めての海外どころか、飛行機に乗るのさえ初めてだった。ジェット機もまだ飛んでいなかったから、プロペラ機で中間地点にあるウェーク島を経由し、ホノルル入りした。だいたい12時間から14時間はかかったと思う。

 なぜ、私がハワイ行きメンバーに抜てきされたかというと・・・

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野村克也の本格野球論

野村克也の本格野球論

勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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