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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「二軍での下積み」

 

プロ入りから2年間、二軍で鍛えられ3年目に一軍で129試合出場と飛躍を果たした


「お前、ボールの握り方も知らんのか」と呆れられた


 前号からの話の続きである。

 プロ入り2年目のことだった。一軍の外野手、堀井数男さんとキャッチボールをしていたとき、堀井さんに「お前、プロのくせにボールの握り方も知らないのか」と呆れられた。

「お前、ボールをどない握ってんのや?」

「こうです」

「バカかお前、それは変化球の握り方だ」

 私はボールの縫い目を縦にして、縫い目の上に指全体を置くように握っていたのだ。

「縫い目を横にして、指の腹にかけて投げてみい」

 堀井さんの言うとおりに投げてみると、なるほどいい球が行く。私はそれくらい、無知だった。ボールの正しい握り方も知らなかったのだ。

 野球の基本的なところは、すべて自己流だった。高校時代、私は常にボールを持って歩いては、ボールとにらめっこをしていた。それでボールの縫い目を縦にした方が、指に縫い目が多くかかるからいいだろう、と思い込んだ。ところが縫い目を横にした方が、よっぽどいい球が投げられるではないか。

 正しいボールの握り方を教わって投げたら・・・

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勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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