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野村克也の本格野球論

野村克也が答える「捕手にまつわる読者からの質問」

 

新庄にキャッチャーをやらせたかったわけは


 今季、巨人阿部慎之助をキャッチャーに復帰させるようだ。正解だと思う。打線も日替わりオーダーではなく、固定していくという。巨人には、V9という良い見本がある。時代は変われど、川上野球はチーム作りの模範だと思う。

 特にキャッチャーは、阿部のような選手を育成するのは簡単ではない。最低でも2、3年かかるだろう。小林誠司には、まだまだ経験と時間が必要だ。

 私はよくミーティングで「野球とは」を説いていた。野球ほど休憩の多いスポーツはほかにない。1球投げて休憩、1球投げて休憩。野球のゲームの中に“間”が多いのは、どういうことか。単純に、1球投げるとボールカウントが変わる。1球、1球で状況が変わる。そこには各選手の能力、性格、心理が、見えないところで働いている。その“見えていないもの”を見るのが、プロ。特にキャッチャーは、見えない“間”を見るのが仕事である。だからキャッチャーは経験が必要なポジションだというわけだ。

 さて、そのキャッチャーにまつわる質問を、いくつか読者からいただいた。

「私は、プレイボールズというアイドルグループに入っている中学1年生の女子です。毎朝、Twitterでファンの方たちが今日1日頑張れるようにノムさんのお言葉をお借りしてエールを送っています。“本当は、新庄をキャッチャーにしたかったんや”という言葉を“なんで???”という私のコメントを入れて紹介させていただいたことがあります。ファンの方たちは、新庄選手の肩の強さや身体能力の高さが理由じゃないかって教えてくださいましたが、ノムさんご自身から理由が聞きたいです。よろしくお願いします」(中本羽鞠さん)

 これはね、新庄にキャッチャーをやらせたいと思ったわけではないんだよ・・・

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勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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