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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「コリジョンルール」

 

当初はケガ防止のため良いルールと思ったが…


 今季から導入された、コリジョンルール。私は導入当時、「ケガ防止という観点からは良いことだと思う」と書いた。しかし、いざシーズンが始まってみると、コリジョン絡みのトラブルが予想以上に発生。それとともに、このルールのあり方も問われるようになってきた。

 問題は、ルールの適用基準が明確でなかったことだ。本来「送球を実際に守備しようとして走路をふさぐ結果となった場合」、ルール違反にはあたらない。ところが導入当初は、単純に「走路をふさいだかどうか」が、アウトとセーフの分かれ目になってしまった。

 そもそもルール導入の目的は、本塁での危険な衝突を防ぐためだった。私も現役時代は、ホームベースでしょっちゅうやられたものだ。ランナーは二塁、三塁に触塁した後、ベースから離れたところをタッチされると、アウトになる。しかし本塁の場合、一度触塁すれば、あとは本塁から離れてもアウトにならないため(当然だが)、そのぶん勢いよく飛び込んでくる。そこはキャッチャーにとって、大きなハンデである。

 私の現役時代、激しいスライディングで知られたのは阪急のスペンサーだった。あるとき、私がホームでもうボールを持って待っているにもかかわらず、二塁から強引に突っ込んできた・・・

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勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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