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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「ストレート」

 

パ・リーグのメンツにかけて江夏の16奪三振を阻止


 日本ハム大谷翔平が9月13日のオリックス戦[札幌ドーム]に先発。日本球界最速となる164キロを計時した。大谷といえば、もはや160キロ超は当たり前。163キロまでなら、複数回記録している。

 しかし、不思議だ。160何キロというスピードが出たら、バッターはクルクル空振りをするはず。ところが皆、大谷の速球をバットに当てている。日本球界最速の164キロは、バッター・糸井(嘉男=オリックス)の内角へ。しかし、これとて糸井は詰まりながらも、ライト前への先制2点タイムリーにしている。

 私の27年間に及ぶ現役生活で、真っすぐのスピードNo.1といったら、阪急・山口高志だろう。バッターが「真っすぐ」と分かっていながら、その真っすぐにバットがかすりもしない。ボールの軌道上にバットを出したと思っても、ブンッと空振りしてしまう。バットを短く持って対処して、初めてかするほどだった。持ち球は、ほとんど全部が真っすぐ。あんなピッチャーは珍しい。バッターが「いい加減、ボチボチ変化球が来るころだろう」と考えてみたところが、また真っすぐ。結局終わってみたら、変化球が1球もなかったなんていうことさえあった。

山口高志が投じるストレートには手も足も出なかった/写真=BBM


 カネさん(金田正一=国鉄ほか)、江夏(豊=阪神ほか)と、速球派のピッチャーは何人もいたが、彼らの真っすぐならなんとかバットに当てることができる。例えば江夏。阪神時代の1971年、オールスターで全パから9者連続三振を奪った“伝説”は若い読者もご存じだろう。それが第1戦の西宮球場だった。舞台を後楽園に移した第3戦、6回から江夏が再びリリーフのマウンドに上がった。その回の先頭は五番・アルトマンの代打・江藤慎一(ともにロッテ)。江藤が三振に倒れ、私に打順が回った・・・

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勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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