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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「敵は我に在り」

 

オフに怠けるのも自由、頑張るのも自由だ


「監督時代、選手たちに“オフはこんなふうに過ごしなさい”や“こういったことには気を付けろ”とオフに入る前、何か訓示を行っていたのですか?」と編集者に尋ねられた。そんなことは一切、言わなかった。オフに怠けるのも自由、頑張るのも自由。それがプロ野球というものだ。ライバルがひしめく中、ラクをしたい、つらいことは避けて通りたいと思うのなら、そうすればいい。しかし、ラクをして得られるものはないはずだ。

 私は現役時代、正月明けまでは家でボーッと過ごし、三が日が明けたあたりから自主トレに入るのが習わしだった。家の近所を走り、バットを振る。ランニングと素振りだけは、欠かさなかった。

 ボーッとして過ごしたとはいえ、まったく野球のことを考えなかったかというと、そうでもない。野球が好きだし、この道以外生きる道はないのだ。いまだに野球と女性ぐらいしか考えることはない(笑)。カッコよく言えば、野球一筋。私から野球を引いたら、何も残らないのだ。「野村-野球=0」である。私にもし野球以外の何かがあったなら、今ごろリーグ会長か、せめてどこかの球団会長にでもなっているのではないか。ところが候補にも挙がらないのは、「人は見ている」ということだ。

 タイプは違うが、長嶋(長嶋茂雄=現巨人終身名誉監督)に似ているのだろう・・・

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野村克也の本格野球論

野村克也の本格野球論

勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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