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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「敬遠“申告制”」

 

ボールを4球投げずに敬遠策が成立?大反対!


 メジャー・リーグ機構が敬遠四球について、意思表示をすれば4球ボールを投げなくても打者を一塁に歩かせることができるよう、選手会にルール改正を通告した。選手会側が同意して、今シーズンから導入されるという。なんでも、『試合時間短縮』が目的なのだとか。

 このルール変更が行われれば、ピッチャーは審判にただ「歩かせます」と宣言するだけで敬遠が成立するそうだ。それで短縮される時間が、“1分”。そんな改正には、大反対だ。野球には、敬遠によって生まれるドラマもあるではないか。

 私が阪神監督を務めていた1999年、巨人戦(6月12日、甲子園)でのことだ。4対4の同点で迎えた延長12回裏、一死一、三塁のチャンスに、四番・新庄剛志が打席へ入った。この日、新庄は1点ビハインドの8回、同点の9号ソロを放っている。

 槙原(槙原寛己)-光山(光山英和)の巨人バッテリーは、ここで敬遠策を取った。光山が立ち上がり、1球目。しかし、これが敬遠球にしては低かった。2球目。また槙原が中途半端な球を外角へ投じた。新庄は思い切り踏み込むと・・・

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勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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