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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「真のエース」

 

4試合連続完封は逃したが、エースらしい姿勢は素晴らしい菅野/写真=大泉謙也


4試合連続完封逃すも菅野はたいしたもの


 巨人菅野智之が5月10日の阪神戦[東京ドーム]に先発し、8回4失点で今季初黒星。1965年、城之内邦雄(当時巨人)以来52年ぶりの4試合連続完封を逸した。

 われわれのころは、先発完投が当たり前だった。しかし、「クオリティースタート」(先発投手が6回以上を投げ、自責点3以内に抑えること)でピッチャーが評価されるこの時代、3試合連続完封勝利を挙げただけでもたいしたものだ。

 菅野のようなピッチャーがいると、監督としては大いに助かる。あとは、彼の普段の生活や練習ぶりが模範的かどうか。高橋由伸監督が、ほかの選手たちに「お前ら、菅野を見習え」と言えるようであれば、彼は真の“エース”といえるだろう。

 聞くところによると、菅野は「週の最初(火曜日)にカードの頭を任される自分が最後まで投げ切れば、中継ぎを使わず、あとが楽になる」と常々口にしているそうだ。チームのことを最優先に考える、エースとしての自覚。この責任感が、選手を伸ばす。

 楽天監督時代は、当初こういった他者の模範となる“エース”がいなかった。残念ながら、「お前ら・・・

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勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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