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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「名前」

 

姓名判断は良くなかったが、球界に名を残す成績を挙げた筆者/写真=BBM


姓名判断では画数から何から最悪も……


 私の名前「克也」は、父親が付けてくれたものらしい。由来というほどのものはなく、男の子だからという理由で、「克(かつ)也(なり)=かつや」。「かつ」を「克」にするか「勝」にするかだけ、少し迷ったようだ。

 ところがこの名前、「野村克也」とフルネームで姓名判断してもらうと、誰に聞いても画数から何から、最悪なのだ。ただ、そのうち2人ほどの占い師が「生年月日と生まれた時間がいいから、大丈夫」とフォローしてくれた。つまり、その部分の運勢の良さで、名前における運勢の悪さとバランスを取っているそうな。ちなみに私が誕生したのは、真夜中の3時。だから、私も今もって夜に強いのだろう。

 私は正直、「克也」という名前があまり好きではない。“克服する也(なり)”なんて、なんとなく女性的で、強さを感じないからだ。まだ父親が迷ったという“勝利”の“勝”の「勝也」なら、強さがあった。“克”を使うにしても、“衛門”あたりを付けて「克衛門」くらいにしてくれたほうが、私としてはうれしかった。

 中学時代、野球部でショートを守っていた同級生の名前が、「茂左衛門」だった。フルネームにするとますます侍のようで、子ども心に「カッコいいなあ」と、うらやましかったものだ。

 せめて「○雄」か「○男」なら、もっと男らしかったと思う。その場合、「克」を使うとサザエさんの登場人物のようになってしまうので、「正雄」でもなんでも、別の漢字をあててほしいところだが……。

 プロ入りが決まったとき、野球部の部長先生が姓名判断師のところへ連れていってくれた。京都のどの辺かは失念したが、真っ暗な部屋の中に老占い師が一人、座っていたのを覚えている。そこで言われたのが・・・

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勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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