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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「奪三振」

 

野茂英雄を超える7試合連続2ケタ奪三振をマークした則本/写真=榎本郁也 ※成績・記録は6月1日時点


ストレートの精度と原点能力で三振は取れる


 楽天則本昂大が6月1日の巨人戦[koboスタ宮城]で、プロ野球新記録となる7試合連続2ケタ奪三振を達成した。次は、メジャー・リーグの記録に並ぶ先発マウンドが待っている。果たしてどうなるか、非常に楽しみだ。

 身長180センチにも満たず、ピッチャーとしては小柄な部類。あの体で150キロ超の速球をほうるのは、たいしたものだ。技巧派も、本格派も、ピッチャーはストレートが基本。そのストレートの精度──球の遅いピッチャーの場合は、特にストレートのコントロール──で勝負する。そして、私がよく口にする“原点能力(ストレートを外角低めへ正確に、力強く投げること)”。そこでストライクが稼げれば、常に投手有利なカウントから投球の幅を広げていくことができる。バッテリーを組む嶋(嶋基宏)に私自ら「困ったら原点」とさんざん教えてきたのだから、そこを有効に使っているはずだ。

 凡打の種類は、3つしかない。すなわちゴロ、フライ、三振。そのうち最も難しいのは、フライである。ヘタをするとホームランを打たれてしまう、紙一重の凡打。だからこそ、データを生かさなければならない。例えば外国人選手に多いのが、高めの真っすぐに対する選球眼の悪さ。そのため、例えば一死ランナー三塁で、バッターを追い込んでから高めのつり球を要求すると、三振が取れる。

 ピッチャーが思わずガッツポーズしてしまうような三振は、キャッチャーも内心うれしい。外には見せないまでも、自分が三振を取ったような気にさえなるものだ。

 則本はどうか知らないが、ピッチャーとは面白い動物で・・・

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勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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