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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「野球哲学」

 

人間とはなんとも厄介なものだ


 当コーナーの編集者が、私のかつての教え子に会ったそうだ。彼は私にまつわる思い出として、「選手時代は野村監督のミーティングのとき、つい居眠りをしてしまった。だけどのちに、あのミーティングで教わった“野村ノート”は、野球がうまくなるために大切なことばかりだったと気付いた」と話していたという。引退後、一般企業に勤める傍らアマチュア野球の指導にあたる彼は、私の著作を買い込み、あらためて勉強しているという。

 人がいなくなって初めて、分かることは多い。その人がいるときは、その人の発した言葉や質問の意味が理解できず、ありがたみも分からない。人間とはなんとも厄介なものだ。教え子たちの場合もご多分に漏れず、私がやめてから成長するケースが多いようだ。

 ここでも何度か書いたが、私は楽天監督時代、嶋基宏に「(配球に)困ったら原点=外角低め」という教育をしてきた。それが失敗したのか成功したのか、嶋は・・・

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野村克也の本格野球論

野村克也の本格野球論

勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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