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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「矢野燿大と阪神監督」

 

矢野監督の考えがチームに浸透するか/写真=湯浅芳昭


自分を客観視し、正しい努力をする


 本誌3月18日号に阪神・矢野燿大新監督のインタビューが掲載されていた。

 キャンプでは選手たちの自主性を重視し、プロとして「自分がどうなりたいか」を考えさせ、そこに焦点を置いた練習を、各自にやらせたという。まさに、それが理想であり、本物のプロフェッショナルといえるだろう。

 果たして、うまくいったのだろうか。私も長く野球界に身を置き、選手たちを見ているが、昨今、真のプロフェッショナルにはなかなかお目にかかれない。

 そもそも今の選手たちは“自主性”を謳(うた)われ、自分で考えて練習できる自由を与えられても、「何をすればいいか」が分からないようだ。もちろんプロ野球界が競争社会、実力の世界であり、努力をしなければいけないことは、みな重々承知である。ところが、「どういう努力をすればいいのか」が分からない。

 プロ野球選手にとって、『努力』は必要不可欠だ。人と同じことをやっていたら、人並みにしかなれない。しかし、そこでただ闇雲に努力しても成果は上がらず、「プロはどうせ才能次第なんだ」と言い、途中で放り投げてしまう。そんな選手を、何人見たことか。

 大切なのは・・・

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勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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