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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「変化球の打ち方」

 

変化球を苦にしないイチローは天才型だろう/写真=Getty Images


変化球への対応は全打者に共通したテーマ


 先週号の変化球特集を受け、編集者が「選手に“変化球はどう打てばいいですか?”と聞かれたら、どう答えますか?」と言う。

 私も現役時代、カーブを苦手にしていた時期があった。そのとき、オールスターで一緒になった山内一弘さん(毎日ほか)に、「カーブはどうすれば打てますか?」と聞きに行った。山内さんは私がプロで自分のバッティングを確立しようとしていたとき、そのフォームをマネて参考にしたバッターだ。すると山内さん、「なあに、そのうち打てるようになるよ」と言って、これっぽっちも教えてはくれなかった。

 のちにその話を山内さんにしたら、「自分のライバルにそんなこと教えられるか」と言われ、「俺のことをそんなふうに思っていたのか」と驚いた。

 それはともかく変化球の打ち方、だ。変化球への対応は、全打者に共通したテーマである。ただ、そうはいってもバッターのタイプによって、対応方法はさまざまだ。

 私の場合は、典型的なヤマ張りバッター。こういう不器用なタイプのバッターは、相手バッテリーの配球やピッチャーの球種によるクセを探りながら、狙い球を絞る。しかし、ヤマを張れば、当然外れることもある。だから安定した成績を残せない。これには親を恨んだものだ。もっと反射神経よく生まれていれば、ストレートに合わせながら変化球にも対応できただろう。それがバッターの理想形。だが同時に“天才型”ともいえ、このスタイルで結果を残せるのはほんの一握りである。

 特にわれわれの時代、ヤマ張りバッターはバカにされ・・・

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勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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