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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「高校時代」

 

県大会4回戦で延長12回、194球を投げ抜いた大船渡・佐々木朗希/写真=BBM


社会人監督時代のコーチがノムラの教えを高校生に伝授


 夏の全国高校野球選手権地区大会は連日1校、2校……と代表校が決まり始めている。今号が発売されるころにはすべての代表校が決まっているだろう。

 西東京大会の記事に私の名前が出ていたというから何かと思ったら、田中善則監督率いる昭和第一学園高が、『“ノムラ野球”で初戦突破!』だという。田中監督は、私がシダックス監督時代、私の下でコーチを務めていた。その田中監督が指導した2年生の先発投手が、「原点である外角主体の投球で攻めることができた」と試合後コメントしたため、サンスポの記者が“ノムラの教え”だと書いたようだ。実際、田中監督もそう言ってくれたようで、ありがたい限りである。

 確かに「ピッチングの原点は外角低め」が、私の持論。これは何もプロ野球や社会人野球に限ったことではなく、すべての世代に通じる“野球の原点”なので、大いに生かすべきだ。

 さて今年、岩手大会を席巻しているのは大船渡高の佐々木朗希投手。190センチの長身から160キロ前後のストレートを投げ込む。動画を見て、いい投げ方をしているな、という印象だ。バランスがよく、下半身をうまく使っている。ただ足を大きく上げ、左足をうまく使っているのはいいのだが、「クイック投法はできるのかな」「(相手に)足を使われることはないのかな」と思った。

 彼は東日本大震災の津波で父親を亡くし、私と同じ母子家庭で育った。これから大いに親孝行してほしい。

 その佐々木は岩手大会の4回戦で延長12回194球を投げ抜いた。昨今、ピッチャーの登板過多が問題視され、この4月からは高野連が『投手の傷害予防に関する有識者会議』を設け、話し合いが続いている。現時点では「1試合での球数制限」は高野連への答申に盛り込まれないようだが、「一定の日数の中での球数制限」は検討されそうだ。これからの高校野球は2人、3人ピッチャーを作らなければ・・・

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勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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