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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「リーグ優勝」

 

1992年、ヤクルトのリーグ優勝で胴上げされる筆者/写真=BBM


長期のペナントレースと短期決戦は違うのだが……


 最後は少々硬くなっていたかのようにも見えた巨人が9月21日、DeNAを下し、5年ぶりのリーグ優勝を決めた。一方パ・リーグは西武ソフトバンクの両チームが最後まで競り、西武が逃げ切った。

 まずは、両チームに優勝おめでとうと言いたい。しかし今の時代、日本シリーズに進むには、まだクライマックスシリーズ(CS)を勝ち抜かなければならない。143試合にわたる長いペナントレースの勝者が、わずか数試合の短期決戦で日本シリーズ出場権を失う可能性があるとは、なんともおかしなシステムだ。もっとも今季に関していえば、両リーグともCS進出争いのおかげで、ペナントレースそのものは最後まで目が離せない状況となったのだが……。

 編集者に、「監督は、いつの優勝が一番思い出深いのですか?」と聞かれた。もちろん、監督としての初優勝はうれしかった。南海で兼任監督に就任して4年目、1973年のことだ。

 当時のパ・リーグは2シーズン制で、南海はまず前期優勝。その後、後期優勝の阪急とプレーオフを戦い、3勝2敗で勝ち抜いて7年ぶり12度目のリーグ優勝を決めた。ただし、シーズンを通してみると、南海の勝率はリーグ3位。そのくらい、優勝できるような戦力ではなかったし、長期のペナントレースと短期のプレーオフとは違うのだ。今のCSによる下克上ではないが、「ツイていたな」「運が良かったな」という優勝で、なんとも面はゆい。

 その点、ヤクルト監督としての初優勝(92年)は“優勝”した実感があった。

 あのときも正直、優勝する自信はあまりなかった。ヤクルトを優勝候補に挙げた評論家だって、一人もいなかったはずだ。そんな程度のチームである。

 確かに89年秋、ヤクルト監督に就任したとき・・・

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勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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