36歳にして最高のシーズンとなった。故障者が度重なるチームの中で、先発ローテーションを守り抜き、何度もチームの苦境を救ってきた。だが、今季の活躍はまだまだ発展途上。来年の進化を、誰よりも山井本人が楽しみにしている。 取材・構成=吉見淳司 写真=平山耕一、BBM ようやく見つけた自分自身のスタイル
──自身初タイトル、さらには最多勝と勝率第1位投手の2冠、おめでとうございます。
山井 ありがとうございます。プロ野球選手としてタイトルは誰もが取りたいものですけど、自分が取る姿はまったく想像していなかったですね。1、2年間2ケタ勝利を挙げていたり、1年間先発ローテーションでプレーできたら、「次は最多勝」と思えるんでしょうけど、僕の場合は2012年にやっとシーズン通してプレーできましたが、去年は4度も登録抹消がありましたから。まずは1年間プレーしたいというのがずっと思っていたことで、それができないと何もついてこないですから。
──正直な印象としては、規定投球回、2ケタ勝利も今回が初というのは意外に感じました。
山井 よく言われるんですよね。皆さんの中では活躍しているイメージがあるみたいで、「意外やな」という声もよく聞くんですけど、なんせ昔はケガが多くて、半年プレー、半年ケガという状態が続いていましたから。
──ご自身の感覚と、周りから見た姿にはズレがある。
山井 かなりあるでしょうね。本当にいろいろな悩みやケガもありました。昨年も、12年に中継ぎでようやく投げられるようになって、「13年も中継ぎでやりたいな」とは思っていたんですけど、なかなか自分の思うボールが投げられず、そのままズルズルといってしまいました。
──それを踏まえ、14年はどこに注意をしたのでしょうか。
山井 明らかに自分の投げ方がおかしいとは思っていて、球筋も良くなかったので、自分の本来のボールを投げる腕のしなり、ボールに力強さを加える指先の感覚や腕の使い方を見直しました。鞭のように腕をしならせるというのが僕の投げ方なので、それができるように。そこを考えると、下半身も鍛えないといけない。イチからじゃないですけれど、イメージを膨らませながらフォームを作ることに取り組みました・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン