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2015タイトルホルダーインタビュー
福原忍インタビュー「来年は今年以上の成績を」

 

39ホールドポイントをマークし、2年連続で最優秀中継ぎのタイトルを獲得した福原忍。福原自身、このタイトルは先発の勝ちを消さなかったことだけを意味し、獲得の実感はないという。来年40歳を迎えるシーズンになるが、まだまだ若手にその座を渡さないと意気込む。
取材・構成=椎屋博幸、写真=BBM



シーズンでのケガはなく自分の仕事を全う


 若手速球派の高卒4年目右腕・松田遼馬が昨年終盤にケガから復帰し、セットアッパーとして期待され開幕からその座を任された。一方、12月で39歳となる福原は春季キャンプ中盤に右足内転筋挫傷で戦線離脱と。だが、現状を認識し地道な努力で、気が付けばセットアッパーの立場も奪い返し、しっかりとチームの勝利に貢献するシーズンを送った。

――2年連続で最優秀中継ぎのタイトル獲得となりました。

福原 自分の中で「獲ったぞ!」という実感は全くないんです。ただただ、チームに感謝しているという思いだけです。先発投手が勝った状況で僕のところに回してもらい、そこで投げ、抑えてホールドポイントが付いたという意識しかないんです。だから「感謝」の言葉しか見つからないです。2年連続でタイトルを獲得しましたが、マウンドでの気持ちも昨年までと何も変わらず「先発投手の勝ち星を消さないこと」だけを考えマウンドに上がっています。

――今年は開幕当初は21歳の松田遼馬投手が、セットアッパーとして起用されていました。

福原 「新陳代謝が必要だ」などと周りから言われますし、僕も分かっています。でも、安ちゃん(安藤優也、38歳)と一緒に「まだまだ(負けてないぞ)!」という気持ちで、常にマウンドに上がっています(笑)。

――その思いの中で5年連続50試合以上の登板となりました。昨年とほぼ同じ登板数(14年=60試合・53回1/3・42ホールドポイント、15年=61試合・53回2/3・39ホールドポイント)になりました。

福原 シーズン中は登板数を数えながらマウンドに上がっているわけではないので、1試合1試合をしっかり投げていく中で、終わってみれば、この数字になっていた、という印象だけですね。

――しかし、今年の春季キャンプ中にケガ(右足内転筋挫傷)で戦列を離れ、開幕には間に合わない中で、最後はしっかり自分の仕事を全うされました。

福原 開幕戦2カード逃がしただけで一軍に上がることができました。そしてシーズン最後まで大きなケガなく投げられたことが、この成績につながっているとは思っています。

――ケガをされたときに焦りなどはなかったのでしょうか。

福原 焦りはなかったんです。自分の中でケガの程度が理解できていて、開幕までには間に合うだろう、と思っていました。ただ、長いシーズンを考えると急ピッチに仕上げるのでなく、安全策を取りながら、リハビリやトレーニングを進めました。それで開幕に間に合わなかったんです。

――しっかりとしたプランでの復帰だったからこそ、シーズンで大きなケガがなかった。

福原 ところどころでは小さな痛みなどありましたよ。ただマウンドで投げることができない、という程度ではなかった。まだ、年齢とともに体力的にきつくなる、ケガをして体がきつくなる、ということは感じてはいないんです。本当に任されたマウンドでしっかりと投げられる状態は保っています。

――常にしっかりとしたコンディションを保つために心掛けていることはあるのでしょうか。

福原 試合前のキャッチボールのときに・・・

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