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2019タイトルホルダーインタビュー

西武・金子侑司インタビュー 盗めばいいってもんじゃない 「最終的に『タイトルが獲れればいい』と目標設定を変えました」

 

タイトルホルダーを取り上げる連載インタビュー第4回は西武のスピードスターの登場だ。3年ぶり2度目の盗塁王に輝いた背番号8。数は前回より減ったが、満足感を得られているその理由とは――。
取材・文=上岡真里江 写真=幡原裕治(インタビュー)、桜井ひとし(プレー)


意味のある、内容のある盗塁


――2度目のタイトルおめでとうございます。今年は、開幕前から「盗塁王を獲る」と宣言していた中での獲得。2016年のときとは、また重みが違うものですか。

金子 ありがとうございます。当然、前回もシーズンに入る前に「獲ろう」という目標はあったのですが、あのときは1年間試合に出るのが初めてで、その中で、というところがあったので、「無我夢中だった」という感じがありました。今年は、そこに「優勝して」とか「(打順)一番で」など、さらに自分の目標が加わっていましたし、自分から「獲りたい」と明言したのは初めてだったと思うので、自分にプレッシャーをかけた上で獲れたことは、前回以上に自信になったとは思います。

――タイトルホルダーの宿命として、やはり、ほかの選手と比べて、相手の盗塁への警戒度も相当なのでは?

金子 それは感じますね。同じチームにも、源田(源田壮亮)や外崎(外崎修汰)など、走れる選手がたくさんいます。特にその2人がランナーで出たときに、相手がどういうことをするのかベンチから見ているのですが、「こいつのときはこういう感じか」と思って、いざ自分が塁に出たとき、そのイメージでリードを取ろうとすると、またそれとも違ったことをしてくる。「うわー、また違うわ」と、塁上で友亮(佐藤友亮)さん(外野守備・走塁コーチ)と苦笑いすることが結構ありましたからね。でも、それは分かっていたこと。盗塁王を目標に掲げたときから、友亮さんとも「簡単ではないし、当然マークは厳しいけれど、そこにどう立ち向かって、どう勇気を持って走っていくかだと思う」という話もしていました。その意味では、今年はしっかりと勇気を持って走れたかなと思います。

――ほかの選手へのマークとは違ったことをしてきた場合でも、成功させる秘訣やコツのようなものを見出した感じはあるのですか。

金子 盗塁にコツはないと僕は思っています。同じ投手でも1回走ると、やはり相手も考えるので、2回、3回と塁に出ると、よほどクセがない限り同じようなスタートは切れません。それに、年々、盗塁することが本当に難しくなっていると思うんですよね。もう昔みたいに、(年間盗塁数が)50個、60個はざらみたいな時代ではない。投手のクイックも早くなっているし、けん制もうまくなっている。セットポジション時のルール緩和などもあったりして、走ることがどんどん難しくなっている中で、自分がどうやって走っていくかということを常に考えながらやっています。本当に難しいです。

――確かにそうですね。

金子 前回が53個でのタイトルだったので、最初は「50」という数字を目標に掲げていたのですが・・・

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