自己最多を更新する68試合に登板して38セーブをマーク。チームの勝利のため、必死に左腕を振り続けた日々の先には、初タイトルというご褒美が待っていた。現役屈指のクローザーはそれでも、満足感に浸ることなく新たな道へと進む。 取材・構成=阿部ちはる 写真=井沢雄一郎、BBM 大きかった周囲の力
――最多セーブ受賞おめでとうございます。松井選手にとって、初めてのタイトルです。
松井 ありがとうございます。うれしいですね。ただ失敗もあったので、それがなければ40セーブに届いたわけですし、満足ではないです。
――セーブ王のタイトルは、抑えを任されるようになってから常に目指していたタイトルです。獲得の難しさをどこに感じていますか。
松井 自分で左右できるものではないですから。来たものをしっかり務め上げることはできるのですが、セーブ機会が100回あるかもしれないし、1回もないかもしれないというところで、そのタイトル自体についてはチームのおかげでしかないと思います。実力以上に多くのことが重ならないと獲れないタイトルですね。
――NPBアワードのコメントでも、「周りの人に感謝」という言葉がありました。
松井 特にシーズン序盤は則本(
則本昂大)さんと岸(
岸孝之)さんがいない中、美馬(
美馬学、現
ロッテ)さん、辛島(
辛島航)さんを中心になんとかつないで、中継ぎ陣も勝ちを消さないよう本当に頑張っていました。自分で頑張っていたと言うのはおかしいですけど、みんなで必死につないで勝利をもぎ取っていた春先の試合は、やはり印象に残っていますね。
――序盤戦は逆転での勝利も多かったので、準備の難しさも感じていたと思いますが。
松井 それは5年間やっているので慣れてきた部分もあります。ただ・・・
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