開幕当初は8回専任だった。守護神・藤川球児が開幕から右肩のコンデションが上がらず7月に登録抹消。“代役守護神”として9回のマウンドに上がった。しかし150キロ後半の真っすぐとコントロールされたスプリットで、打者を簡単に打ち取っていくたびに、チームから絶大な信頼を得るまでに。気がつけば最多セーブを獲得する活躍だった。 取材・構成=椎屋博幸 写真=石井愛子、宮原和也 取材日=11月10日 新天地に向けメカニックを見直し
突然でもあり、必然でもあった。7月12日のDeNA戦(甲子園)。2対0の9回のマウンド。そこにスアレスは立っていた。1点は奪われたが阪神でクローザーに抜てきされた瞬間だった。絶対的な守護神だった藤川球児が戦線離脱。8回で抜群の安定感を見せていたスアレスが起用された。その後は150キロ台後半の真っすぐとスプリットを低めに集め、10月11日のDeNA戦(甲子園)まで負けなしの快投を見せた。 ──阪神に移籍して抑えとして信頼され、最多セーブを獲得しました。
スアレス とてもうれしいですね。プロフェッショナルなリーグでタイトルを獲得できたことは自分の自信にもなりますし、何よりチームにチャンスをもらえたことでこういうタイトルが獲れたのでうれしく思っています。
──今季
ソフトバンクから移籍し、春のキャンプから調子が良さそうでした。
スアレス 昨シーズンが終わった直後から母国のベネズエラでしっかりトレーニングを重ねていました。その中で投球のメカニックを見直す機会を得ました。それが春のキャンプ地の沖縄で、いい形となって表れましたね。自分の中では、今年はいい数字が残せるという確信はありましたし、残さないといけないという思いもありました。そして今までの自分の成績を上回ることを目標にしていました。
──春のキャンプのとき、ブルペンでの投球を見てすごいボールだなと。
スアレス 去年のソフトバンクでは自分の投球の調子がいいときと悪いときの差がはっきりしていたので、これではいけない、という思いがありました。そこで・・・
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