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2022タイトルホルダーインタビュー

楽天・島内宏明インタビュー 新たな自分に挑戦「僕にとっては3割よりも、『2割、ホームラン50本』のほうが魅力的」

 

昨年の打点王に続き、2年連続で打撃タイトルを手にした。今やリーグ屈指の好打者であり、チームでは不動の四番打者。充実したプロ11年目のシーズンを振り返る。
取材・構成=阿部ちはる 写真=宮原和也、井沢雄一郎、BBM


節目の記録も通過点


 自身初の最多安打獲得に「四番で獲れることってなかなかないと思うので、これも最初で最後かなと思う」と喜びを表現した。タイトルには執着しない島内宏明だが、縁がないと思っていたからだろう。その巡ってきたチャンスに焦点を当てたのは8月だ。そこからコンスタントにヒットを積み重ね、2位の高部瑛斗(ロッテ)に13本もの差をつけての受賞となった。タイトル獲得によってあらためて感じたのは試合に出続けることの重要性だ。そしてそれが何よりも難しいことも知っている。だからこそ、その表情からは充実感がにじみ出ていた。

――最多安打獲得おめでとうございます。昨年の最多打点に続き、2年連続でのタイトル獲得となりました。

島内 ありがとうございます。どのタイトルも自分には縁がないと思っているのですが、(最多安打を)獲れるはずの人が新型コロナウイルスやケガで離脱したこともあって、まさかと言いますか、タイミングよく。また、ずっと(試合に)出させていただいていたからだと思うので、(石井一久GM兼任)監督には感謝しています。

――最多安打獲得の理由のひとつに「積極的に振っていった」とシーズン終了後に語っていました。その意識はシーズンの最初からあったのでしょうか。

島内 シーズン序盤は意識していなかったですね。最初は「開幕しましたねえ」みたいな感じで(笑)。初球から積極的に振っていくようになったのはオールスターが明けて、頑張ればタイトルが獲れるな、と何となく思い始めた8月中盤くらいからだと思いますね。

――昨年のインタビューで出塁率を意識しているという話をしていましたが、シーズン序盤に考えていたことはこの数字だったのでしょうか。

島内 はい。正直、安打よりも出塁率のほうが大事なのかなと。そこがある程度計算できるから僕が出ていると思うので。今年は途中から(最多安打が)狙える位置にいたので頑張ろうかなと。ちょっと積極的になっていた傾向にあったというだけで、そこを意識してシーズンインしたということではないです。

――シーズン終了後には「2年連続タイトル獲得よりも、6年連続規定打席に到達したことのほうが大きい」と話していましたね。

島内 いいこと言ったでしょ(笑)。

――いいこと言っていますね(笑)! 試合に出続ける難しさを感じているからこそ出た言葉だと感じました。

島内 いやあ……本当に難しい。毎年、監督には我慢して使っていただいているおかげだとは思っているんですけど。ただその中でケガなく、ある程度のパフォーマンスでやるというのはなかなか難しいことだと思いますね。

――離脱につながるケガをしないこと、調子が落ちてもスタメンを外されない程度の成績で踏みとどまること。そこを続けていかなければ試合に出続けることはできません。

島内 僕としては・・・

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