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2022タイトルホルダーインタビュー

中日・岡林勇希インタビュー 冷静な野球小僧 「言われたことをやっているだけから、自分で理解してできるようになってきた」

 

期待をされていたには違いないが、シーズン前に一体誰がこの小柄な選手のタイトル獲得を予想できただろうか。プロ入団と同時に投手から外野手へ転向。高卒3年目の大ブレークだ。
取材・構成=牧野正 写真=BBM


タイトルの喜びと重み


 あらゆる方向にコツコツと安打を積み上げ、終わってみれば161安打。DeNA佐野恵太と並んでセ・リーグ最多安打のタイトルを獲得した。佐野は首位打者の経験もあるリーグ屈指の巧打者。それに比べて岡林は何の実績もなく、高卒3年目の2022年シーズンは一軍定着が一番の目標だった。突然の覚醒は6年ぶりの最下位に沈んだチームにとって大きな光明だった。

――1年前のオフとは見えている景色が違うのではありませんか。

岡林 いやいや、特に変わらないですよ。活躍してもしなくてもやるべきことは常に同じですから。表彰などがあって東京に行ったり、少し忙しかった部分はありますけど。

――一気に全国区になった?

岡林 全然そんなことないです。僕なんてまだまだですよ。

――ほぼフル出場(142試合)は初めてだったと思います。シーズンが長いと感じたのでは。

岡林 やっているうちは長いと感じていましたが……終わってみればあっという間だったなと。疲れはしましたけど、もう取れました。

――開幕前の目標は一軍定着だったと思います。そこから目標が大きく変わっていきましたね。

岡林 シーズン前の目標はとりあえず一軍に帯同していくというのが目標でした。それで使っていただけたので、それからは何とか食らいついていくっていうことしか考えていなかったですからね。

――開幕を5日後に控えたオープン戦(3月20日の対ロッテ戦、バンテリン)で右手薬指を負傷しました。今後のことを考えれば完治させてという選択肢もあったと思いますが、どのように考えていましたか。

岡林 その考えはまったくなかったです。あそこは何が何でも(開幕戦に)出ないと。出ることしか考えていなかったですし、そう決めたからには痛いとか言っていられない。出るための方法を模索して、それで結局、出られましたから、それくらいの痛みだったということです。

――7月から9月まで月間打率で3割を超えています。調子の出なかったシーズン序盤に比べて、何が変わったのでしょうか。

岡林 初めのうちは言われたことをやっているだけでしたが、そのうち自分で理解し始めたというか・・・

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