守護神ライデル・マルティネスの活躍ばかりに目が行くが、8回のマウンドに立つ、この右腕の存在を忘れてはならない。強力な竜リリーフ陣の中でも一際光るピッチングとマウンド度胸。育成から支配下となって飛び出したルーキーイヤーを経て2年目の今シーズンは、さらに飛躍してタイトルホルダーとなった。 取材・構成=牧野正 写真=BBM 2年連続の100点満点
プロ2年目となる今季のスタートは最悪だった。3月29日のヤクルトとの開幕戦(神宮)は3対2と1点リードの場面で8回に登板すると、2安打2四球に暴投1で4失点。リベンジを果たすべく上がった翌日のマウンドも1対0と1点リードで8回のマウンドへ。しかし2安打に1四球で1点を失い、2試合続けての救援失敗――“2年目のジンクス”が囁かれる中、それでも終わってみれば昨年以上の活躍でタイトルを獲得した。 ――2年目のシーズンが終わりました。長く感じましたか。それともあっという間でしたか。
松山 長かった……ですね。1年を通して(一軍で)戦うことが初めてだったのと、開幕でやられてつまずいてしまったのが大きかったんですが、そこからのスタートだったので、それで長く感じた部分はあるかもしれませんけど。
――今季は59試合に登板し、疲れもたまっているのではありませんか。
松山 いや、それはないです。特に疲れは感じていません。
――どんな1年でしたか。
松山 昨年は、とにかくがむしゃらに野球をやっていたという感じでしたが、それに比べたら、すごく自分の中で考えるようになりました。
――特にどんなことを?
松山 データなどを、より重視するようになりました。昨年はがむしゃらにバーッと(勢いで)行って、そのまま最後まで行けた部分がありましたけど、今年は開幕でつまずいたので、データをしっかり見るようにしたというか。そこからいろいろと考えるようになりました。
――点数を付けるとするなら、今年の自己採点は何点ですか。
松山 100点です!(即答)。昨年も100点ですけど。
――主に8回のマウンドを託されて、最優秀中継ぎのタイトルを獲得した喜びを教えてください。
松山 それはもう、めちゃくちゃうれしいです。どうしても獲りたかったので。2位だと、そのときは「よく頑張ったね」と言われますけど記録には残らないですし、忘れられますからね。アマチュアだったら、2位でもその頑張りがいろいろな人の記憶に残り、それでドラフトにかかったりすることもあると思いますけど、プロではタイトルが重要。記録に残りたかったのでうれしかったです。
――タイトルを意識し始めたのは、どのあたりからですか。
松山 8月の後半あたりから意識しました。先にメディアさんのほうが騒いで、それこそ7月くらいからタイトルについて「どうですか?」とか聞かれましたけど、そのときは・・・
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