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一軍16シーズンで規定打席未到達も含めると、7度の3割超えで“打撃の天才”、“テクニシャン”と呼ばれることも多かった。12年の巨人移籍後は1打席勝負で今度は“代打の神様”に。打撃一筋で戦い抜いた、プロ18年間を振り返る。
取材・構成=坂本匠 写真=荒川ユウジ、BBM



地元のチームのために


――BCリーグ・武蔵ヒートベアーズの打撃コーチ就任が発表されています。昨年末から精力的に体を動かしているようですが、準備は万端のようですね。

石井 打撃コーチとはいえ、独立リーグなので、NPBのようにスタッフが多くいるわけではないですからね。打撃投手やノック、いろいろやることも多いと思うので、今から準備をしておかないと。それに、動かないと太る一方なので(苦笑)。

――引退発表が昨年の巨人の秋季練習初日、10月28日でした。武蔵のコーチ就任までの経緯は。

石井 チームを出て、これからの人生をどうしようかと考えていたときに、一般に就職するか、野球に携わる仕事に進むか、悩んでいました。ちょうどその時期に、知り合いを通じて新しく誕生するヒートベアーズがコーチを探しているということで、すぐにオファーをいただいて。少し考える時間をいただきまして、お引き受けさせていただくことになりました。

――引退を決意した段階で、『ゆくゆくは指導者の道に進みたい』という思いがあったのですね。

石井 ずっと野球をしてきましたから。現役のころも漠然とですけど、できれば引退後は、いつかはコーチと考えていて、それを1つの目標にしてきました。正直、ホッとしましたね。

――プレーする側から指導する側へ。気持ちの切り替えはできていますか。

石井 切り替えはできていると思います。ただ、見ていると自分もやりたくなるんじゃないかなと思うので、そこでどう自分をコントロールすることができるか、それが心配です(笑)。

――まだお若いですから、実際に打ってお手本をみせることもありかと思います。

石井 そうですね。ある程度打ってみせることもあるでしょうし、プロで18年間やってきましたから、少しでも良いところを伝えられればなと思います。

――武蔵ヒートベアーズは熊谷市をホームにした、地元・埼玉の、このタイミングでできた新しい球団です。

石井 縁を感じますね。とにかく地元(※石井氏は埼玉県川口市出身)ということもあってオファーをいただいたように思いますから、コーチをさせていただくからには、少しでもチームの優勝に貢献できるようにやりたいなと思います。

――どんな指導者像を思い描いていますか。

石井 選手には自分で考えて伸びていけるようになってほしいし、そうあるべきだと思うので、困ったときやココというときに手助けをできる、力を伸ばしてあげられるように、と考えています。自主性を持たせたいので、1から10まで教えるような指導は考えていません。経験上、練習って、ある程度自分でやった方が伸びるんですよね。目指すところが10だとしたら、1か2でも、徐々にランクを上げていく手助けができればいいですね。

短期決戦は得意


▲12年の巨人移籍後1年目は、驚異の代打打率.405でリーグ制覇、CS突破、日本一奪取に大きく貢献した



――引退を決断した一番の理由は何ですか。

石井 自分の中に・・・

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