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惜別球人2016

廣瀬純 引退惜別インタビュー 引き継がれる記録と記憶 「温かい声援とはこういうことをいうんだなと感じながら引退させてもらいました」

 

野球選手から解説者に転身し、明るいキャラクターと流ちょうなしゃべりで、さっそく存在感を発揮している廣瀬純。守備で、打撃で、忘れじの名場面を演出した16年間の現役生活を振り返る。
取材・文=吉見淳司、写真=BBM

2016年10月1日の引退セレモニーで。おなじみの敬礼ポーズで胴上げされた


仲間が盛り立てた感動の引退試合


プロ野球選手の中で、引退試合が行われるのは一握りのわずかな選手だけ。廣瀬はこれまでの貢献からその機会を与えられ、さらに花道を飾らんとするチームメートたちの手によって、試合は劇的なものとなった。

──野球解説者として新年を迎えましたが、引退したとあらためて感じる瞬間はありますか。

廣瀬 体に気を遣わなくていいところですね。僕はケガが多かった選手でしたし、この時期はいろいろなところを治療しながら、強化しながら新シーズンに向かっていたので、まったくやらなくていいのはすごくラクですね。

──寂しい気持ちは。

廣瀬 いや、寂しいというほどではないですね。例えば1週間のうちのトレーニングや練習などはかなり計画的に過ごしていましたから。野球を離れて寂しいというよりも、新しい生活のほうが新鮮で、いろいろな人と出会って話していると野球とは違った面白さがあります。引退するまで名刺の出し方も知らなかったですから(笑)。

──引退試合は2016年10月1日のヤクルト戦[マツダ広島]。とても感動的な試合となりました。

廣瀬 球場全体に包まれてというか、ファンの方々の温かい声援とはこういうことをいうんだなと感じながら引退させてもらいました。すごく優しい雰囲気でしたね。

──ファンだけでなく、5回には菊池涼介選手がヘッドスライディングで内野安打をもぎ取ったり、6回には松山竜平選手が廣瀬さんのバットで決勝二塁打を放ったりと、チームメートの気迫も伝わってきました。

廣瀬 試合前から・・・

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惜別球人

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惜しまれながらユニフォームを脱いだ選手へのインタビュー。入団から引退までの軌跡をたどる。

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