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惜別球人2016

加藤健 引退惜別インタビュー 辛抱強く、コツコツと 「まずは生まれ育った新潟に、恩返しをしたいと考えています」

 

“カトケン“の愛称で親しまれ、縁の下の力持ちを地で行くプレーヤーだった。規定打席に到達したシーズンは1度もないどころか、35試合出場がシーズン最多。球界に旋風を巻き起こした“松坂世代“を代表する捕手の1人であった加藤健は、日本を代表する捕手・阿部慎之助の存在もありながら、辛抱強く、コツコツと、巨人一筋18年のキャリアを駆け抜けた。
取材・構成=坂本匠、写真=岡田浩人、BBM

雪の降るHARD OFF ECOスタジアム新潟[新潟アルビレックスのホーム]をバックに


球団社長補佐に就任。仕事内容は“すべて”


昨年の同時期ならばポカポカ陽気の沖縄で自主トレーニングに汗を流していたであろう1月16日、雪の降る極寒の新潟市内に、タイドアップでキメた加藤健の姿があった。1月5日に2016年限りでの現役引退を正式発表したばかり。独立/BCリーグに籍を置く、新潟アルビレックスBCに“球団社長補佐”としてフロント入りすることが決まり、記者会見に出席。少しの緊張感と大きな希望を胸に「新潟に幅広く貢献したい」と決意を語り、故郷(聖籠町出身)で第2の人生をスタートさせた。

──18年間の選手生活にピリオドを打ち、地元・新潟アルビレックスのフロントスタッフとして、新たな生活がスタートしています。具体的な仕事内容を教えてください。

加藤 “球団社長補佐”という肩書きがありますが、仕事内容はアルビ(※チームの愛称)にまつわるすべて。チームの編成や運営、「アルビをよろしくお願いします!」と営業活動もしますし、講演会などの依頼があれば話もする予定です。球団が開催している野球塾で不定期ですが、コーチをすることもあります。球団グッズだったり、運営面でも僕なりに提案をできたらなと。

1月15日、BCリーグ/新潟の球団社長補佐に就任し、就任会見を実施。池田拓史社長とガッチリと握手を交わし、「もっと頑張らなきゃと思っています」と表情を引き締めた


──既成概念をぶち壊して、新たな可能性を探るのが役割ですね。

加藤 そうですね。ただ、高校を卒業してすぐのジャイアンツ入りで、アルバイトの経験もないですし、ユニフォームを脱いで仕事をするのはもちろん初めて。逆に現実のカベにぶち当たることもあると思います。野球も失敗の多いスポーツなので、社会でも良いことばかりではないことも理解しています。ただ、いろいろな角度から野球を見られるので、ワクワク感もある。アルビにはサッカー、バスケットボールなどほかの競技もあるので、そちらのスタジアムやアリーナ・体育館にも積極的に足を運び、新たな発見があればいいなと思っています。

──アルビ入りのきっかけは?

加藤 引退の話と前後してしまいますが、昨年の11月12日に合同トライアウトを受験した直後に・・・

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惜別球人

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惜しまれながらユニフォームを脱いだ選手へのインタビュー。入団から引退までの軌跡をたどる。

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