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惜別球人2019

荒波翔 引退惜別インタビュー 駆け抜けた8年間 「ゴールデン・グラブを獲得できたのも中畑さんが試合で使ってくれたからこそ」

 

瞬発力の塊のような存在だった。スピード感あふれるプレーで見る者を惹きつけ、2度のゴールデン・グラブ賞を獲得。2018年に戦力外を告げられ、今季はメキシカン・リーグに挑戦。DeNAで一時代を築いた男が静かにユニフォームを脱いだ。
取材・構成=滝川和臣 写真=福地和男(インタビュー)、BBM


メキシコ挑戦から引退決意


 2019年の2月、メキシカン・リーグのモンテレイ・スルタンズのキャンプに参加すると、武器であるスピードあふれるプレーで魅了した。選手登録を勝ち取ると開幕スタメンに抜てき。メキシカン・リーグの投手が繰り出すクセのあるボールにも対応し、開幕後は3割近い打率をキープしていたのだが……。

──2018年にDeNAで戦力外を通告され、メキシコへ。なぜメキシコだったのでしょうか。

荒波 NPBでの復帰を目指していましたが、その可能性がなくなっても練習はずっと続けていたし、体も動く状態だったので、どこかでプレーをしたかったんです。海外に挑戦された方の話を聞くと、10人いたら10人が「行ってよかった」とアドバイスをいただいた。いろいろ興味を持つ中で、田中浩康さん(元ヤクルトほか、18年DeNAで現役引退)を介してメキシコを紹介していただきました。

──メキシコでプレー後はNPB復帰を目指していた。

荒波 年齢は33歳。そう簡単にNPBに復帰できるとは思っていませんでした。まずは、1シーズンをプレーして日本に帰ってきた際に判断しなきゃいけないなと思っていました。

──6月末に急きょ、契約を解除されてしまいます。

荒波 球団が以前から目をつけていた僕と似たようなタイプの外国人が獲得できるということになり、契約を結べないと通達されました。「結果は出しているのに……」と思いましたが・・・

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惜別球人

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惜しまれながらユニフォームを脱いだ選手へのインタビュー。入団から引退までの軌跡をたどる。

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