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惜別球人2020

久保裕也 引退惜別インタビュー 挫折して味わえた野球の楽しさ 「失っていくのはすぐだけど、努力をずっと続けていても、結果につなげるのはすごく難しい」

 

自由獲得枠で巨人に入団し、リリーバーとして一時代を築いたが、その道程は決して平坦ではなかった。恩人の死がきっかけとなり、見いだした新境地。そして思い出した野球の原点。「松坂世代」の1人として存在感を示した右腕が、3球団目に所属した楽天で18年間のプロ野球生活に幕を下ろした。
取材・構成=阿部ちはる 写真=楽天野球団提供、BBM

12月5日に開催されたファン感謝祭での引退セレモニー。久保は目を潤ませながら球団、チームメート、ファンに感謝の言葉を届けた


経験が教えてくれた野球の楽しさ


 11月7日に引退を発表し、12月5日のファン感謝際で引退セレモニーを行った。入団テストを経て楽天入りし、「入団するときからイーグルスを最後の球団にすると決めてプレーしてきた」。感謝の思いとともに、野球を楽しみ尽くすことを心に決めた久保裕也。だがそれは、たくさん悩み、苦しんできたからこそたどり着いた境地だ。「松坂世代」の1人として18年間、ケガ、戦力外、トライアウト、テスト入団と多くの経験を積みながら3球団を渡り歩いてきたからこそ、グラウンドで見せる笑顔は誰よりも輝いていたのだろう。

──プロ野球生活、お疲れ様でした。この18年間はどういった日々でしたか。

久保 苦しいことのほうが多かったですし、自分で納得のいくシーズンというのは18年のうち2年くらいしかなかったので、もっとやれたなというところももちろんあるのですが、でも18年……。実質3度の戦力外を受けて、複数年なしの単年で18年やれば、上出来かなと思います。ただ欲を言うのであれば、もう1年やって、次に入ってくる高卒の子に「お前が生まれたときからプロ野球選手なんだよ」と言ってやりたかったですね。

──それほどの時間をプロ野球という厳しい世界で生きてきたわけですね。最後に所属した楽天は、テストを経ての入団となりました。合格を伝えられたときはどういった心境だったのでしょうか。

久保 球団からは「投げることは期待してない」と言われましたね(苦笑)。合格の理由としては、「経験を買った」と。「まだ全然野球を知らない若い子たちがいっぱいいるから、お前の経験を若い子たちに伝えてくれ」と言われました。でも、うれしかったですけどね。

──ですが、楽天での4年間は毎年勝利も挙げ、あらゆる状況下でマウンドに上がるなどブルペンを支えました。2019年には500試合登板も達成し、経験を伝えるだけにとどまらない活躍でした。

久保 それほど活躍していないという自覚はあります。ある程度しっかり一軍でコンスタントに結果を残せていたらよかったですけど、なかなかうまくいかなかったですし、もっとしっかりチームに貢献できたらなという思いはありますね。でも、とにかくイーグルスに来てからは・・・

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