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[短期集中連載]2013ドラフト指名選手CLOSE UP 〜「10. 24」から始まるストーリー〜

DeNA6位 山下峻[松本大] しなやかに、したたかに開花を目指す左腕

 

松本大での4年間のうち、所属する関甲新学生野球連盟で1部リーグを経験したのは3年の春秋のみ。もちろん日本代表とも縁がなかった。そんな山下峻が今秋のドラフトでDeNAから6位で指名を受けた。まだまだ体力、技術ともに即戦力とはいかないが、チームには不足している左腕投手。近い将来、きっとDeNAにとって欠かせない存在となる男だ。
取材・文=佐野知香
写真=BBM



 今季、5年ぶりに最下位を脱出したDeNA。打撃2冠のブランコら打線の力が順位を押し上げたのは間違いないが、同時に三嶋一輝井納翔一の新人投手2人がいなければ最下位を免れなかったことも事実だ。ともに6勝で負け越しており成績としてはまずまずだが、6位ヤクルトと5ゲーム差しか離れていないことを考えれば彼らの存在は大きかった。逆に、もう1人でも1年間先発ローテーションを任せられる投手がいれば、さらに上の順位も狙えたはずなのだ。

 だからこそ、DeNAの新人投手は、他球団の新人に比べても「即戦力」としてかかる期待も大きい。

 とは言え、山下峻の場合は少し違う。同じく今年のドラフトで指名された、柿田裕太(日本生命)、平田真吾(ホンダ熊本)、三上朋也(JX-ENEOS)ら、社会人野球で主戦として投げていたまさに「即戦力」の投手とは異なり、山下は未知数の「素材型」だ。

プロにつながる出会い

 そもそも全国大会の経験はない。広島国際学院高時代は3年夏の県ベスト8が最高成績だった。松本大に入っても、2年まで2部リーグに所属。3年時には1部リーグに昇格を果たし、春は山下も2勝3敗、防御率2.52の成績を残すが、秋は1勝4敗、防御率6.56。チームも2部に降格してしまった。同期入団には秋の神宮大会で日本一に輝いた亜大の嶺井博希がいるが、山下は「雑誌の表紙とかになっていますよね。だから、同期で入団しても『すごいなあ』という感じで。ライバル意識を持ったことはありませんでしたね」と語る。「親はドラフトを見てもいなかったし、自分もプロ入りできると思っていなかった」という山下がどうしてプロ入りできたのか。

 1つのきっかけは・・・

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ドラフト指名選手クローズアップ

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ドラフトで見事に指名を勝ち取った選手たちに焦点を当てる短期集中連載。

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