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2014ドラフト指名選手クローズアップ

オリックス2位 宗佑磨内野手 強肩巧打のリードオフマン

 

オリックスから「抜群のポテンシャル」と高評価を受け、高校生ながら2位指名を受けた宗佑磨。横浜隼人高で甲子園出場はないが、戦国・神奈川で技術を磨いてきた。ギニア人の父から譲り受けた“天性のバネ”を武器に、プロの世界に挑む。
文=大利実 写真=大利実、BBM



ポテンシャルの高さ示した県大会準決勝での一打


 オリックス・バファローズから2位指名を受けた、横浜隼人高の「三番・遊撃手」宗佑磨。ギニア人の父、日本人の母を持つハーフである。180センチ77キロ、体脂肪率5パーセントの肉体は野球選手というよりはアスリート。50メートルの最速は5秒8と、類まれな足を持つ。

 オリックスの球団ホームページには、中川隆治チーフスカウトの宗評が載っている。

「体の強さと柔らかさを兼ね備えたスピード感のある守備と、高校通算30本塁打を放つ打撃、一塁走破4秒で走り抜ける脚力と、ポテンシャルの高さは抜群」

 今夏の神奈川県大会準決勝、対向上高戦。第2打席にポテンシャルの高さを示すワンプレーがあった。向上高のエース・高橋裕也が投じた内角のストレートを、ヒジをたたみながら軸回転で引っ張り右前ヒット。右翼手の守備位置が深いと見ると、一気に二塁を狙いヘッドスライディング。間一髪セーフとなり、単打を二塁打にした。

 このときの二塁到達タイムが8.9秒前後。プロでも9秒を切ればかなりの俊足といわれる中、高校生離れしたスピードを見せつけた。

 実は6月中旬の練習試合で右足の膝蓋骨を骨折し、手術からリハビリを経て、何とか大会に間に合わせた事情があった。そのため2、3回戦は欠場。足からのスライディングは禁止され、滑り込みは頭から。そんなコンディションの中で、19打数7安打3盗塁1本塁打と活躍した。

 生まれは東京都武蔵野市。すぐに大阪府大阪市平野区に引っ越し、本人曰く「保育園のときから足は速かった」。リレーではアンカーを任され、半周近く前にいたランナーを抜き去ったこともあるという。始めに出合ったスポーツはサッカーだったが、3年生のときに転校した御茶ノ水の小学校にサッカークラブがなかったため、友達のいた野球チームに入った。

 5年生のときに鎌倉市に転居し、中学では鎌倉市立玉縄中の軟式野球部でプレー。中1のとき、横浜隼人高が夏の甲子園に初めて出場し、「笑顔で楽しそうに野球をやっている。自分もここでプレーをしたい!」と想いを抱くようになった。

 横浜隼人高で中学生のスカウティングを担当しているのが、榊原秀樹部長だ。宗の中学時代を回想する。

「初めて見たのが、中3の7月。同じ玉縄中に、横浜高に進んだ小田(佳右)投手がいたんですが、打撃練習で・・・

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ドラフト指名選手クローズアップ

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ドラフトで見事に指名を勝ち取った選手たちに焦点を当てる短期集中連載。

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