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2016ドラフト指名選手密着

ヤクルト5位・古賀優大(明徳義塾高・捕手) プロで目指す“侍への道”

 

3季連続出場となった今夏の甲子園で4強進出。二塁送球1.78秒の強肩と好リードだけでなく、バットでも四番として16打数10安打と躍進の原動力となった。華やかな道を歩んできたように映るが、プロへの扉をこじ開けるまでには、多くのカベに直面していた。
取材・文=寺下友徳

10月25日に学校で東京ヤクルトから指名あいさつを受け、プロを実感した。左から岡林スカウト、古賀、鳥原チーフスカウト/写真=寺下友徳


2季連続甲子園初戦敗退からの逆襲


 3月21日、甲子園には困惑の表情で、本塁ベース後方に立つ古賀優大の姿があった。「事前のデータどおりに要求した」にもかかわらず、龍谷大平安高(京都)との1回戦でまったく通用しないリード。本塁打2本を含む15安打を浴び、1対7で完敗した。明徳義塾高史上初となる2季連続甲子園初戦敗退。古賀は背筋190キロと恵まれたフィジカルで、二塁送球はアベレージで1.9秒台。センバツ前から「注目捕手」として評判が高かったが、その自信は音を立てて崩れ落ちた。

 甲子園から帰った後、四国大会へ向けた順位決定戦でも県内のライバル・高知高に3対4の逆転負け。四国大会準決勝も川之江高(愛媛)に3対8と大敗し、長いトンネルの出口はなかなか見えなかった。

 ただ、これらの屈辱は、古賀を成長させるための最高の肥しにもなった。

「ビッグイニングを作らせないためには、どうしたらいいんだろう」

 バッテリー間や、ブルペン担当・山本龍希捕手とコミュニケーションを密に取った。

「データを頭に入れた上で、1打席目で相手打者の調子を見極め、その結果や試合状況を踏まえて、2打席目以降は配球を変化させる」と、リードの変革を図った・・・

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ドラフト指名選手クローズアップ

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ドラフトで見事に指名を勝ち取った選手たちに焦点を当てる短期集中連載。

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