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2019ドラフト指名選手クローズアップ

DeNA4位・東妻純平(智弁和歌山高・捕手) 元プロ捕手から学んだ基本と勝負の厳しさ

 

甲子園には1年夏から3年夏まで5季連続出場。これ以上ない経験を積み、捕手挑戦から2年半でドラフト指名を受けた。恩師と教え子による二人三脚の取り組みにより、急成長を遂げたのである。
取材・文=米虫紀子

DeNAからドラフト4位。昨年の兄・勇輔[ロッテ2位]に続いてのドラフト指名となった/写真=前島進


「素直に、うれしいです」

 10月17日、DeNAからドラフト4位で指名された直後。普段はカメラの前だと笑えないという東妻純平が、このときばかりは報道陣の前で満面の笑顔を見せた。そして、こう意気込みを語った。

「肩の力やフットワークを評価されていると思うので、そこをもっとレベルアップして、スピード感のあるキャッチャーを目指したい」

 昨年は智弁和歌山高の先輩でもある兄・勇輔が、日体大からロッテに2位指名された。東妻家にとっては、2年連続のドラフト指名。兄弟そろってプロ野球選手になるとは、子どものころには想像もしなかったと父・陽二さんは言う。

「少年野球をやっているころは、『どんな人が、プロになるんやろな〜』と思っていた。まさか(息子たちが)なるとは……。純平は、野球を始めたころはボールなんて捕れなくて、バッタばかり探しているような子どもでした(笑)。でも、どこかでスイッチが入ったんでしょうね。『負けたくない!』という気持ちがあったからじゃないでしょうか。高校ではポジションも(遊撃手から捕手に)変わって、悩んだと思う。でも、アイツは本当に人に恵まれています」

 捕手転向2年半でのドラフト指名。もっとも大きかったのは、智弁和歌山高・中谷仁監督との出会いだろう。

 中谷監督は智弁和歌山高の捕手(主将)で、1997年夏の甲子園で全国制覇を遂げ、ドラフト1位で阪神入団。楽天巨人と3球団を渡り歩き、計15年プレーした。

 東妻が入学した17年4月、中谷監督はコーチとして母校に戻った。「プロに行きたい」と熱望する東妻に・・・

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ドラフト指名選手クローズアップ

ドラフト指名選手クローズアップ

ドラフトで見事に指名を勝ち取った選手たちに焦点を当てる短期集中連載。

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