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2023ドラフト指名選手クローズアップ

広島3位・滝田一希(星槎道都大・投手)感謝と恩返しのプロ人生「監督の言葉でやるしかないと思った。母を含め皆の夢を自分が達成しよう」

 

スケール感ある投球スタイルと愚直に練習へ打ち込む性格を持つ、広島から3位指名を受けた最速153キロ左腕。感謝と恩返しのプロ野球生活が始まる。
取材・文=武石来人 写真=矢野寿明

10月26日のドラフトでは、母の遺影を傍らに指名を受けた。本当の恩返しはここから始まる


 11月20日、広島と仮契約を結んだ場で、滝田一希という選手の性格が分かる言葉があった。「一番評価していただいた球団。この球団で生涯、野球を終えるという目標ができた」。根底にあるのは「報恩謝徳」の精神だと言っていい。自然豊かな北海道・黒松内町で育ち、温かな周囲の人々によって育まれた素直で純粋な青年は、遠き地から輝きを届けようとしている。

 最速153キロの直球とブレーキの効いたチェンジアップで三振を奪える左腕は、将来を期待させるだけのスケール感を備える。指導してきた星槎道都大・井坂肇コーチは「菊池雄星投手(ブルージェイズ)のようにボールの力で抑え込めるタイプ」と滝田を評した。確かに躍動感ある投球フォームは海の向こうで戦う選手を思い起こさせる。

 ただ、寿都高時代はまったく無名の存在だった。周りからは「人見知り」だと言われる性格で、自己主張の強いタイプではない。それでも、「背が高く、足が速い。野球選手として非常に魅力があった」と星槎道都大の二宮至監督(元巨人)が声を掛けた。今となっては、中日DeNAでコーチを歴任した経験からくる確かな評価だったことが分かる。

 恩師たちの下、順調に成長を重ね、3年時の春には・・・

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ドラフト指名選手クローズアップ

ドラフト指名選手クローズアップ

ドラフトで見事に指名を勝ち取った選手たちに焦点を当てる短期集中連載。

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