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Vol.1 有原航平[早大・投手]

 

ドラフト候補の戦力値を分析する中村和久元巨人チーフスカウトによる連載は、今回から2014年版となる。
まず登場するのは早大のエースナンバー「11」を背負う有原航平である。
187センチという恵まれた体格、150キロを超える剛速球を駆使し、来ドラフト最大の目玉として注目されることになりそうだ。


下半身を鍛えれば精度が上がるはず



 有原は広陵高時代、エースとして春夏連続で甲子園に出場。春はベスト4入りする活躍を見せたのだが、脚光を浴びたのは優勝した興南高・島袋洋奨(現中大)であり、準優勝の日大三高・山崎福也(現明大)の両左腕だった。それが早大進学後に着々と地力を蓄え、いまや大学NO・1投手と呼ばれるほどの位置まで駆け上がってきている。

 まず投球フォームを見ていくと、高校時代と比べ、大きな体を柔らかく使えるようになってきている。特に腕の振りが良くなった。ただ、恵まれたこの体格を完全に使いこなせているわけではない。特に気になるのは左足の引き上げが弱い点。これは腹筋、背筋、軸足がまだ十分に鍛えられていないためだろう。軸足にタメができないと、下半身主導の体重移動ができず、その結果、球持ちも短くなってしまう。もう一つ、右ヒジの位置が右肩よりも上に来れば、さらに角度のあるストレートで打者を攻められるはずだ。



 ストレートの最速は154キロで球速、力感が十分にあるが、現状ではシュート回転する球と半々といった印象がある。ただ、投球フォームができてくれば、球速に伴う球のキレも上がってくるはず。ストレートをアウトローに決める精度を今以上に高めてもらいたい。

 変化球はスライダー、カーブ、チェンジアップ、ツーシームを低めに集める投球ができている。ただ・・・

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プロフェッショナルレポート

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元巨人チーフスカウトで現在はベースボールアナリストとして活動する中村和久によるドラフト候補生の能力診断。

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