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Vol.28 福本翼[青学大・投手]

 

細身ながら安定感あるサウスポーだ。この春は右足首骨折の影響で出遅れ、チームは東都大学一部リーグ最下位の憂き目にあった。それでも、得意のスライダーを武器に長いイニングを投げる姿が印象的だった。下半身強化により、さらなるスケールアップが期待できる投手と言えそうだ。

 やはり右足首骨折の影響が大きく、走り込み、投げ込みができていない。下半身の使い方は6〜7分といったところ。これが8〜9分と出来上がってくれば楽しみな存在となる。その投球フォーム(8.5点)を見ていくと、上半身の使い方、スリークオーターから投げる際のヒジの位置はいい。下半身移動ができてくればさらに球持ちが良くなるはず。決して悲観する状態ではない。

 ストレート(8.0点)では、特にクロスファイヤーのキレを磨いてもらいたい。その球筋は安定しているものの、リリースポイントでの押し込みが足りないため、キレが今ひとつという状態だ。この部分が解消されれば、そのストレートはさらに効果的になるだろう。

 この投手の最大の武器は変化球(8.5点)で、その中でもスライダー。この球を両コーナーに決める能力がある。投球術(8.0点)を見ても、このスライダーを軸に組み立てており、この完成度が長いイニングを投げることを可能にしている。今後はストレートの高低とクロスファイヤーの精度を磨くことがカギとなる。“技巧派左腕”といえばチェンジアップなど抜くボールが印象的。だが、この投手はそういった球種でなく、内角を果敢に攻める投球のできる貴重な左腕と呼べそうだ。

 あとは高めいっぱいのストレートの精度を上げていけば・・・

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プロフェッショナルレポート

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元巨人チーフスカウトで現在はベースボールアナリストとして活動する中村和久によるドラフト候補生の能力診断。

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