課題だったコントロールを克服し、大学4年時に頭角を現した横山弘樹。NTT東日本では1年目から主戦に抜てき。昨夏の都市対抗1回戦では4安打11奪三振で完封勝利を収め、若獅子賞を獲得した。東京ガスの補強選手として、今年の都市対抗にも出場。最速150キロの威力ある直球と多彩な変化球を武器にドラフト候補に名乗りを挙げる。

　桐蔭横浜大では小野和博(富士重工)の影に隠れていたが、4年時に急成長した右腕。社会人に進んでからは少し伸び悩んだ時期もあったが、試合を作れる点は魅力。1年目から都市対抗など大舞台の経験も多く積み、各球団はチェックを重ねている投手の一人だろう。今秋ドラフト直前まで動向を追うことは間違いないレベルだ。

　長身から投げ下ろす、オーソドックスな投球フォーム(8.5)をしている。角度があって打者に威圧感を与えられるが、下半身が少し弱い。もっと下の力をボールに伝えられるようになれば、肩、ヒジへの負担も軽減し、連投もできるフォームになる。変なクセがないだけに、下半身で投げる意識をもっと持ってもらいたい。体重移動の動きはスムーズで、悪くない。


　指に掛かったときのストレート(8.5)は威力十分。150キロ前後のスピードボールは打者にとって脅威だ。ただし、常時安定して球速が出る感じではなく、バラつきが目立つ。下半身を使い、一定のフォームで投げるようになってくれば、球速も安定するだろう。

　一方で変化球(9.0)のキレは良い。チェンジアップ、フォーク系の落ちる球の精度が良い。マウンドで自信を持って投げられている。追い込むまでの過程で・・・