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Vol.22 猪田和希(神戸国際大付高・捕手) 潜在能力を生かすためにも下半身強化が不可欠

 

今春のセンバツで猪田和希は「打てる捕手」として注目を浴びたものの、初戦敗退に終わった。甲子園初安打も記録できなかったが、1試合でスカウトの評価が下されてしまうことはない。夏まで、調査が続くことになりそうだ。


 中学時代から全国大会に出場するなど、大舞台で経験を積んできた。今春センバツでは無安打に終わり、チームも初戦敗退を喫したが、今後の成長が楽しみな素材である。本職は外野だったが、昨秋の新チームから捕手にコンバート。強肩を生かした守備にも定評があり、今後はリード面が課題となる。各球団のスカウト陣は、最後の夏まで追いかけることになるだろう。

 打撃フォーム(8.0)は小刻みにバットを動かしながらタイミングを取る。すり足で打つので、目線がぶれないのはいい。インパクトで強く振れるのも持ち味で、軌道もシャープ。右方向への長打も打てるタイプだ。欲を言えば、軸足となる右足にしっかりタメを作れるようにしてほしい。そうすることで、さらに飛距離はアップする。

 選球眼(7.5)は悪くはないが、前に突っ込んで打ちにいくシーンがあった。その際には低めの変化球の見極めが難しくなるので、我慢して球を呼び込むことが必要だ。主軸として打ちたい気持ちが強いのはいいが、四死球をきっちり選ぶことも覚えてほしい。

 昨年の新チームから始めた捕手の守備力(8.0)は非凡なものを感じさせる。遠投は110メートルを投げるなど、強肩が一番の魅力だ。捕球から送球への動作も素早いので、今後も長所を伸ばしていってほしい。ワンバウンドになる変化球を体で止める・・・

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プロフェッショナルレポート

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元巨人チーフスカウトで現在はベースボールアナリストとして活動する中村和久によるドラフト候補生の能力診断。

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