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第21回 地方行政との連携――ファンの掘り起こしに地方自治体のエネルギーが不可欠

 

 プロ野球80周年のシーズンを迎えた日本野球機構(NPB)の熊崎勝彦コミッショナーは、「新たな創出の一翼を担い、未来志向でいく」と意気込みを語った。その際、球団の地方分散についても言及。具体的な計画は「特にない」と強調しながらも、「マイナーの試合を地方ファンが気楽に観に行ける、アメリカの野球環境がうらやましい。日本もそうなったらいい」と漏らした。

 ソフトバンクは3月27日、2016年からのファーム(二、三軍)本拠地移転に関して、福岡県筑後市と基本協定を締結した。同球団は昨年8月、ファーム移転先を公募。熊本、長崎など5県から34自治体が招致に名乗りを上げ、2次審査を経て福岡、北九州、宮若の4市に候補地を絞り、同12月に筑後市が優先交渉先として決まった。

 筑後市は候補地として、九州新幹線の筑後船小屋駅近郊にある約7ヘクタールの土地をアピール。ソフトバンクはコスト等の諸条件が、同地に決めた理由だったとしている。一軍本拠地のヤフオクドームから1時間程度で移動でき、メーンの球場のほか、サブグラウンド、雨天練習場、選手寮などを整備する予定。総事業費は40〜50億円の見込みだ。同球団の舘賢治取締役は「南九州との接点として、九州全体を本拠地化したい」と説明した。

 以前、オリックス、横浜(現DeNA)が、二軍の一軍との区別化を図り、それぞれ「サーパス神戸」「湘南シーレックス」のチーム名で登録。ユニフォームも違う“別のチーム”としてスタートさせたことがある。独立採算制を視野に経営を試みたが、スポンサーが離れるなど主に採算面でのハードルが高く断念した。ファーム単体で経営を維持していくことは至難の業だ。

▲かつてオリックス二軍のサーパス神戸などが独立採算を目指したが頓挫。一企業の支援だけでは限界があり、自治体のバックアップがなければ成功が難しいことを表していた[写真=BBM]



 メジャー・リーグ傘下のマイナーチームがそうであるように・・・

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