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第22回 独立リーグと地域共生――弱点を補うことでつながる底辺の拡大

 

 日本野球機構(NPB)は現在、国内の独立リーグとの積極的な交流を図っている。昨年から独立リーグへの「選手派遣制度」を導入し、NPBの1球団につき最大4人までの派遣が可能となった。シーズン途中からの派遣や途中からの選手の入れ替えもでき、給与はNPB側の球団が負担。昨年は四国アイランドリーグplusの香川などに永川光浩、徳島に小松剛(ともに広島の育成選手)らが参加している。

 交流は選手だけにとどまっていない。NPBは昨年、プロ審判員を養成する「アンパイアスクール」を新設。書類選考を経て女性を含む52人が参加し、実技や座学を中心とした5泊6日の研修から4人が合格した。そのうち、研修審判員として契約した片桐健と水口拓弥の2審判員が、今春からそれぞれBCリーグと四国アイランドリーグplusに派遣されている。NPBの井野修技術委員長は、「審判学校の1期生として、大いに経験を積んでほしい」と、飛躍を願っている。

 NPB側としては、出場機会の少ない若い選手や審判に実戦経験を積ませることができる。一方の独立リーグ側は、経済的負担が少ないまま人員を確保したいという思いがある。メリットは双方にある。

 独立リーグのレベルは、着実に上がってきている。今季は外国人打者として初の2000安打を達成した前DeNAラミレスがBCリーグの群馬に入団し、元巨人木田優夫が同リーグの石川、元ロッテ小林宏之と元近鉄の大塚晶文が同リーグの信濃に所属。NPBやメジャー・リーグでプレーした選手の次のステージとして、台湾や韓国のプロ野球に並ぶ選択肢となってきつつある。

 四国の高知から2007年・・・

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