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Vol.19 大谷昇吾[上武大・内野手]
自分と向き合い成長する万能内野手

 

大学3年時には一番打者として初の大学日本一に貢献。一足先にプロ入りした三木亮(現千葉ロッテ)に続くプロ注目内野手が、大谷昇吾(4年・樟南)である。
小柄な肉体に秘められた底知れぬポテンシャル。まだまだ、成長が見込める左の好打者だ。




素直に打ち返すのが自分本来の打撃

 打ってよし。守ってよし。走ってよし。上武大の大谷昇吾(4年)は3拍子そろった選手だ。関甲新学生リーグでは2年秋から3年秋まで二塁手として3季連続でベストナイン。定評のあるミート力で3年春には首位打者を獲得し、3年春と秋は本塁打王と小柄ながら(172センチ72キロ)長打力もある。昨秋にマークした7本塁打、20打点はともに連盟新記録となった。

 ただ、大谷の名を広く知らしめたのは昨春の大学選手権だろう。不動の一番・大谷は5試合で計7安打を放ち初の日本一に貢献。亜大との決勝では先発・山崎康晃(4年・帝京)から2安打すると救援登板の九里亜蓮(現広島)からも1本と2人の注目投手からヒットを奪ってみせた。

 ところで、なぜ樟南高時代に公式戦の通算本塁打が1本だった大谷が、昨年に本塁打を量産できたのか? 話は2年時のオフにさかのぼる。当時体重が68キロで今より細身だった大谷は、谷口英規監督のアドバイスもあり、体のビルドアップに取り組む。将来を見据えてのことだった。

 3度の食事では本人いわく「漫画に出てきそうな山盛りのご飯」を平らげ、練習中も合間にプロテインを摂取した。そして体が大きくなってもキレやスピードを失ったら意味がないと「重い負荷と軽い負荷を組み合わせたウエートと、短距離のダッシュなどのランメニューも並行して行いました」。すると春のシーズンを迎えるころには体重が4キロほどアップ、それとともに「打球が飛ぶようになり、このポイントで打てばホームランになるという感覚もつかめるようになった」という。

 だが大谷は「自分は決してロングヒッターではない」としっかり認識している。「僕の場合、ホームランはあくまでもヒットの延長。周囲からホームランを期待されている空気を感じることもありますが・・・

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