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Vol.22 青野良行[市立船橋高・投手]
驚異の奪三振率を誇る“化けつつある”右腕

 

昨秋の千葉県大会で三振の山を築き、一躍脚光を浴びることになった右腕だ。そのキャリアに特筆すべきものはないが、“無印”だけに今後の飛躍が大いに期待される。最後の夏に激戦区・千葉を勝ち抜くため、体をいじめ抜く毎日を送っている。
取材・文=今村成一 写真=藤井勝治



昨秋に見せた衝撃の奪三振ショー

 今春、大量49人の1年生が入部して総勢117人。市立船橋高のグラウンドに散った部員の中から青野の姿を確認するのは至難のワザだ。ひと冬越して身長、体重ともに「やや増えましたよ」とは言うものの、特に体格が目立つ存在ではない。

 対外試合が解禁となった3月15日、市川越高(埼玉)との練習試合でバックネット裏観覧席周辺には4球団以上のスカウトが顔をそろえた。スカウトたちは、同21日に開幕する甲子園でのセンバツのデータ準備などで多忙なスケジュールの中、「だからこそ、今、見ておきたい投手」(在京球団スカウト)と集結した。

 昨秋県大会2回戦。袖ヶ浦市営球場で行われた成東高戦に注目したスカウトも多かった。この年の春に144キロをマークした青野のピッチングに“プロの目”が引きつけられていたのだ。試合は、右腕をしならせる青野が4安打18奪三振完封。結局、準決勝で習志野高に1対3と惜敗して4強止まり。関東大会進出もセンバツの芽も摘み取られはしたが、自身は4試合26イニングを投げて36奪三振。奪三振率は実に12.46という数字をはじき出した。念のため、この数字は1試合9イニング完投したと想定した場合の平均奪三振の数だから、とてつもない。NPB記録(規定投球回数)では石井一久ヤクルト時代の1998年に記録した11.05、メジャーの世界では2001年、ダイヤモンドバックスでランディー・ジョンソンがマークした13.41が残っている。

本格的な指導により投手技術を吸収

 こんな青野の“投手道”には平凡な軌跡しか残っていない・・・

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