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ドラフト逸材発掘

タイシンガー・ブランドン大河(石川高・投手) 沖縄発の147キロ二刀流

 

夏を前に沖縄から豊かな将来性を感じさせる二刀流がドラフト候補に名乗りを上げている。投げては147キロの真っすぐに多彩な変化球で打者を牛耳る。打つほうでも、鋭いスイングから放たれる飛距離にスカウトは注目する。さらに遊撃の守備も光る。最後の夏、狙うは大舞台だ。
取材・文=仲本兼進、撮影=BBM

身体能力が高く、内野の守備力も高い。野手としてもドラフト候補である


野球の原点は父親とのキャッチボール


「身体能力が高く、頭も良い。内に秘めたものを感じる」。日ごろ、厳しい規律と猛練習で部員を引き締める池宮城朗監督は石川高のグラウンドで土埃にまみれたユニフォーム姿のタイシンガー・ブランドン大河に対し、目を細めながらそうつぶやいた。打席に立てば高校通算18本塁打の長打力を披露。また投手としてマウンドに立てば最速147キロのストレートを繰り出す。日本ハム大谷翔平がプロの舞台で二刀流として活躍する姿を目に焼き付けながら投打でチームをけん引し、ドラフト候補として大きな注目を浴びるプレーヤーが今、最後の夏の舞台で頂を目指す戦いに向け、練習に励んでいる。

 178センチ72キロのがっしりとした体形のタイシンガーは、アメリカ人の父と日本人の母を持つ。子どものころから体を動かすことが好きで、休日には父親とキャッチボールやサッカーをしたりするのが日課となっていたという。小学生のとき、地元のサッカークラブで汗を流していたが「正直、面白さが分からなかった」と、サッカーを続けることに違和感を覚えていた。そこでかつて父親とキャッチボールをした思い出と、母親の勧めもあって、通っていた伊波小で活動する前原ルーキーズに所属。野球と向き合う生活が始まった。「打つことが楽しくて仕方なかった」と練習に打ち込み始めたタイシンガーは、その向上心からめきめきと成長。その後、進学した伊波中では投手兼捕手としてチームの中心を担い、2013年の沖縄県春季軟式野球大会の決勝戦で金城中を3対2で下して優勝。伊波中の8年ぶりの栄冠に大きく貢献した。「野球をやっていて一番うれしかった瞬間」と語るタイシンガーだが、この大会を制して出場を決めた第30回記念全日本少年軟式野球大会で優勝した高田中クラブ(大分県)と1回戦で対戦し、0対11と大敗を喫した・・・

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