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古賀悠斗(福岡大大濠高・捕手) 人生を変えたコンバート

 

1月27日、福岡大大濠は1991年春以来、26年ぶりのセンバツ出場を決めた。「強豪復活」において、攻守の軸となったのは、キャリア約半年の強肩強打捕手・古賀悠斗である。元内野手は動きも軽快で、チーム一の「練習の虫」が成長を後押しした。
取材・文=岡本朋祐、写真=筒井剛史

昨夏までは遊撃手。福岡大大濠高・八木監督から強肩と将来性を買われ、昨年7月末の新チーム結成時にキャッチャー転向。短期間で「プロ注目捕手」へと成長した


屈辱の初戦敗退に終わった昨夏が原動力


 7時40分からの朝練習があるため、6時過ぎには自宅を出なければいけない。

「母(加代子さん)は5時過ぎに起床して、弁当を作ってくれる。きつい顔もせず、文句も言わず、自分のためにサポートしてくれる。見習わないといけない」

 新体操選手の元アスリートだからこそ、古賀悠斗の健康に気を使う。母を「尊敬する人物」に真っ先に挙げるのも、自らの立場とかぶらせる意味合いがある。

 福岡大大濠高へは「大学も見据えて」進路を決めた。とはいえ「プロを目標にして、小学生からやってきました」と、その夢がブレることはなかった。

 1年夏から三塁手のレギュラーで、同秋から遊撃手。広角に打ち分ける打撃も非凡で、下級生時代から中心選手として活躍してきた。八木啓伸監督は高い潜在能力を認めた上で、育成プランを描いていた。昨年5月の連休中、古賀を呼び出し、新チームからの捕手転向を打診する。

「迷いはなかったです」

 昨夏まで2年間、本塁を死守してきた旧チームの主将・松本敦輝(駒大進学)が抜け、八木監督は肩の強さを買った古賀を捕手に抜てきした。マスクをかぶった経験は皆無。古賀は朝練習を“準備期間”に充て、先輩から心得を学んだ。

「あの方がいなかったら今の自分はないですし、昨秋に勝てた要因だと思う。どんな投手でも、良さを引き出すのが捕手の仕事。配球には正解がない、と。スイング、表情、ファウルの打球方向ら、打者の特徴を観察することを教わりました」

 右腕エース・浜地真澄(阪神ドラフト3位)を擁し、昨春の九州大会を制した福岡大大濠高は、8強へ進出した1989年夏以来の甲子園へ期待が大きかった。しかし・・・

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