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田中空良(東邦ガス・投手) 痛恨の一撃を成長の糧に

 

今年の社会人ドラフト候補は、高卒で解禁となる入社3年目が元気である。2014年春のセンバツで春夏を通じて初出場だった豊川高を4強へ導いた右腕は、着実にレベルアップ。昨年、経験した全国舞台でのマウンド飛躍のきっかけにする。
取材・文=佐々木亨

昨年11月の日本選手権1回戦[対鷺宮製作所]で、都市対抗を含む二大大会で初のマウンド[救援]を踏んだ。小気味良い投球が持ち味だ/写真=太田裕史


好不調の波を軽減するのが課題


 ピッチャーの交代を告げられると、早々にマウンドを降り、足早にベンチへ戻ろうとした。そんな田中空良に、東邦ガス・伏見裕幸監督が言葉をかけてなだめた。マウンドを譲り受ける投手へのバトンを「しっかりと渡せよ」。まるでそう言っているかのような姿がそこにはあった。昨秋の日本選手権。鷺宮製作所との1回戦でのワンシーンである。

 社会人2年目での二大大会初マウンド。鷺宮製作所戦の6回裏、田中は一死二、三塁のピンチで2番手として登板した。アウトを1つ奪って一、三塁と状況が変わるなか、右腕は左打席に立つ代打・酒井直哉に・・・

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