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山崎剛(国学院大・内野手) ミート力を培った打撃本能

 

東都が誇る安打製造機だ。バットコントロールに優れており、どんな投手も苦にしないからこそ、安定した数字を残してきた。昨年は侍ジャパン大学代表で貴重な経験を積み、最終学年につなげる。
取材・文=佐伯要

横浜市内のグラウンドでポーズを取る。自信の裏付けは練習量。今春もバットでチームに貢献する/写真=(P)URP


打撃開眼の分岐点は高校1年夏の広島遠征


 体勢を崩されても球をバットの芯でミートし、安打にしてしまう。東都でNo.1のアベレージヒッターだ。

 国学院大でリードオフマンとして打線を引っ張る二塁手・山崎剛。好投手がそろう東都大学リーグで2年春に打率.400で首位打者を獲得した。3年秋までに51試合に出場し69安打を放ち、リーグ戦通算.350の高打率をマークしている左の巧打者だ。山崎の打撃について、国学院大・鳥山泰孝監督は言う。「球をとらえる感覚が優れている。それを本能と言ってしまうと何も考えていないように聞こえますが、アイツは打撃の技術について人一倍、考えていますよ」

 高校入学までは、両打ちだった。「中学のころは全然打てなかった」と山崎。日章学園高(宮崎)に入ってから左打ちに専念するようになったが、「打てる感覚はなかった」と振り返る。

 試行錯誤の中で、山崎が打撃開眼した分岐点がある。高校1年の夏、チームが広島に遠征した。遠征中のある練習試合で「どうしたら打てるんだろう」と考え、いろいろな打ち方を試してみた。それまでは、構えたときのグリップの位置は胸の前あたりだったのだが、捕手方向に引いて構えると、ボールをバットの芯で当てることができた。山崎は当時の感触を、今でも鮮明に覚えているという。「そのときから、芯に当たる感覚が出てきたんです。それ以来、どうやったら打てるか? いつも考えています。打率10割を目指してやっているので」

 高校時代の山崎は「プロ注目の選手」という存在ではなかった。だが、そんな山崎にほれ込んだのが、国学院大の上月健太コーチだった・・・

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