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小畑尋規(立正大・捕手) 一部復帰で実力を証明する春

 

東都大学二部リーグは第3週を終え(4月20日現在)、立正大が無傷の開幕4連勝で首位に立つ。攻守でチームをけん引しているのが、超攻撃型捕手だ。2010年春以来の一部復帰を目指している。
取材・文=上原伸一、写真=山口高明

北照高時代には甲子園に3度出場し、立正大では2年春から正捕手を任され経験豊富。実戦派キャッチャーはプロからも高い評価を受けている


野村氏から薫陶を受けた指揮官も成長を実感


 小畑尋規は「準備」を大切にする捕手だ。例えば試合時のイニングの合間、スパイクで自分のポジションを丁ねいにならす。それこそ、土を掃き清めるかのように――。その動作から繊細な性格が映る。聞けば、立正大の正捕手になった2年春から行っているという。

「僕はもともと、ストップがあまり得意なほうではなかったんです。でもきっちり止められなければ、投手から信頼されない。大学に入ってからストップの練習はよくやってきましたが、試合では不意にバウンドが変わることがあります。イレギュラーしないよう、掘れたところは必ず平らにするようにしています」

 定評がある送球でも「準備」を大事にする。「練習では技術的な準備を、試合では投げる前に頭の準備をしています」と小畑。この“準備力”が力みのない落ち着いた送球を生む。小畑は「どこを見てほしいかと言うと、送球の正確さ。これには自信があります」と胸を張る。

 自らも送球をセールスポイントにする一方で、課題としているのが配球だ。立正大OBで捕手出身の坂田精二郎監督からは、厳しい指摘を受けているという。坂田監督は社会人の強豪・シダックスの正捕手として10年間プレーし、都市対抗には補強を含め8回出場。02年秋から05年までシダックスの監督を務めた野村克也氏(元楽天監督)からリード面での薫陶を受けている。

「坂田監督には『打者を見ての配球ができていない』『配球の引き出しが少ない』と。さらに『投手の良さを引き出せていない』とも言われています」

 ただその配球でも進歩を見せている。今春の東都二部開幕戦となった拓大1回戦では、前半で相手の狙い球が分かると、中盤以降は配球を変えるなど、先発の鈴木友也(3年・越ケ谷高)を好リード。ネット裏に陣取ったスカウトに、的を絞らせない配球を披露し、勝利を呼び込んだ。これには坂田監督も・・・

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