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吉村貢司郎(国学院大・投手) 個人よりチーム最優先。見据える2度目の東都王座

 

国学院大はこの秋、2010年秋以来2度目のリーグ優勝を狙っている。実力伯仲の“戦国東都”を勝ち抜くのは大変な道程だが、150キロ右腕はフル回転の覚悟。チームとしての実績を追い求め、個人的な進路にもつなげていく構えでいる。
取材・文=佐伯要、写真=BBM

日大豊山高時代は3年夏の東東京大会準優勝。プロ注目右腕も甲子園に届かなかったことから、国学院大で4年間、力をつけようと決めた/写真=佐伯要


 2015年夏、関東一高との東東京大会決勝。甲子園出場をかけた一戦である。日大豊山高の3年生だった吉村貢司郎は、先発として神宮球場のマウンドに立った。

 帽子のつばには「公規の分まで」と書いてあった。高校1年生だった13年秋、野球部の同級生の飯星公規さんが病気で他界。亡き友を思いながら投げたが、4回途中8失点で降板。2対14で敗れた。

 それから4年。国学院大のダブルエースの一人となった吉村は、亡き友への思いを、しんみりとした口調で言った。

「公規は入学したときから病気だったけど、グラウンドにはよく来ていました。他愛もない話をしましたが、ずっと笑っていた。苦しかったはずなのに、つらい顔を見せない、強い人でしたね。公規の分までという思いは、今もあります」

 高校時代からプロ注目右腕だったが、甲子園出場を逃した悔しさを糧に、進学する。国学院大を志望したのは、練習を見て「自立できているチーム。自分が大人になるにはいい」と感じたからだ。

 2年春。専大3回戦で4回から2番手としてリーグ戦初登板を果たすと、5回無失点の好投で初勝利を挙げた。2年秋には5試合に登板。高校時代に最速144キロだった直球の球速は、150キロまで伸びた。高校時代は球速を求めて力まかせに投げていたが、大学で・・・

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